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映画散歩

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「モンガに散る」 ~ニウ・チェンザー監督の作品への思い

2010年台湾で台湾映画として歴代1位の興行成績を収め、第47回台湾金馬奨ではイーサン・ルアンが主演男優賞を受賞、さらには第83回アカデミー賞外国語映画賞に台湾代表作品として選ばれた「モンガに散る」。

舞台は1980年代の台北一の歓楽街、モンガ。商業の中心地であるが故、黒社会の抗争が絶えない。そのモンガに生きる5人の少年たちの物語。

約40年続いた戒厳令が解かれようと変革の時を迎えていた頃、若者たちは最初は生き生きとし、極道の世界で生きていくことに誇りを持ち、義兄弟の契りを交わすほど友情を信じていた。しかし、きれい事だけでは済まされない世界、次第に厳しい現実に直面していく……。

友情と絆(きずな)、そしてそれぞれに待ち受ける運命を、疾走感あふれる映像とエモーショナルな演出で描いている。5人の青春映画として見ると、これまでにない新鮮な作品として、見るものを惹(ひ)きつけるに違いない。

そんな本作は、アジアの巨匠ジョン・ウー、ピーター・チャン、ホウ・シャオシェンにも絶賛されたほどの秀作だ。監督を務めたニウ・チェンザーは、子役から人気俳優、TVドラマの人気プロデューサーを経て、ついに映画監督となった才能の持ち主であり、台湾映画界の未来を担う。

そんな監督から映画製作の経緯や思いを伺った。

Q.モンガを舞台にした映画をつくろう、という発想はどこからきたのでしょうか?

モンガという地域は、台北の発祥の地なんです。モンガという言葉は、もともとは原住民の言葉で「小さな船」という意味なんですけど、その船が集まるところ、つまり波止場という意味だったのです。まさに今、台北という大都会がここから発展して、今の都市に成長したという、歴史的な由緒のある地域です。

清朝の時代から日本の植民地時代、そしてこの映画の舞台でもある80年代までにずっと、一番栄えていた場所でもありました。そこには、いろんな人たちが集まり、繁栄していきました。その後は没落していくわけなんですけど、それでも今もなお、流山寺や古いお寺、昔ながらの繁華街の面影が残り、さらには昔ながらの住人や、おいしいその土地ならではの食べ物もあります。そうした歴史的なものが色濃く残っており、物語を書く上で非常に面白い場所と思い、ここを選びました。

Q.時代設定を1980年代にしたのは、なぜでしょうか?

80年代は、私と本作の脚本家のまさに青春時代でした。台湾にとっても特別な時代で、台湾社会が大きく変化した時代でもありました。戒厳令が解除され政治的に開放され、自由な空気が満ちあふれており、また経済的にも急速に台湾経済が発展するという、そういう時代でしたので、非常にエネルギッシュだったのです。私にとっても非常に思い出深い時代でしたので、この時代を選びました。

80年代の風俗は今みても大変面白く、ファッショナブルでもありました。私たちが夢中になって遊んだスーパーマリオのゲーム、そしてウォークマン。私も映画のように、当時好きだった女の子とイヤホンを分けて聞いていました。またファッションも、今から見るとかなりモダンでしたね。

それから、この映画を撮ることで、自分自身が若い頃に戻った気がしたんですね。若いときは何も知らず、いろんなことを信じやすい時期ですけど、それがいつの間にか年を重ねることで、いろいろなことを経験し、そうした純な気持ちがだんだんなくなっていきます。自分でもなくなったと思ったものが、もう1回この時代を撮ることによって何かを取り戻したような気がしていたんですね。

Q.日本の観客へのメッセージを。

この作品は日本の皆さんに気に入ってもらえると信じています。いままでの台湾映画とはかなり違います。製作もしっかりとし、物語も盛りだくさんで、俳優も素晴らしい。日本と関係のある風物も出てきます。きっとあまり日本との隔たりを感じないはずです。言葉を変えて言うと、自分の人生を反映した、ドラマ性のある、感動的な物語を作り、観客に主人公たちと共に泣いたり、笑ったりして欲しい、映画館を出ても、何かを自分の人生に持ち帰るような映画を撮りたいと思ってきました。

この映画は私たちがかつて確かに持っていた純粋度で美しい心を描いています。見た後はきっとかつての自分の青春を思い出し、もしかしたら今のしんどい人生に向き合える勇気が得られるかもしれません。

(「モンガに散る」宣伝担当)

S

12月18日(土)よりシネマスクエアとうきゅう他全国順次公開

公式サイト:http://www.monga-chiru.com/

配給:ブロードメディア・スタジオ



2010年12月14日
モンガに散る
映画配給および宣伝各社の担当
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