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映画散歩

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ゾンビの始祖の新たな試み 「サバイバル・オブ・ザ・デッド」

頭を打ち抜けば死ぬ、かまれたらゾンビになる、知能は弱く食欲という本能だけで動く、など“モダンゾンビ”の設定を作ったのがジョージ・A・ロメロだ。すべてのゾンビ映画をたどるとそこにはロメロのゾンビがいる。いわばゾンビの始祖である。

ロメロは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)でゾンビ映画を初めて手がけ、「ゾンビ」(78、原題:Dawn Of The Dead)で脚光を浴びる。「ゾンビ」は「ドーン・オブ・ザ・デッド」(2004)としてザック・スナイダー監督によりリメークされている。

そもそも「ゾンビ」が注目を集めたのはその設定にある。ゾンビがあふれ返った世界で巨大ショッピングモールに立てこもり、モール内のお店から食料や銃火器などを好き放題かっぱらう。それからゲームをするようにゾンビどもを倒していく。

この「ショッピングモール」というのがポイント。1970年代になり、巨大商業施設の建設が始まったころ、ロメロは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に感銘を受けたイタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェントからローマに呼び出され、ゾンビ映画の脚本を書けと指示を受ける。ショッピングモールを見たロメロはこれこそ消費の象徴であるとし、ゾンビ映画に取り入れた。世相を取り入れたゾンビ映画という画期的な作品の誕生である。

以降、ロメロのゾンビ映画は時代時代の流れを反映し、それに対するアイロニーがちりばめられるようになった。「死霊のえじき」(85)、「ランド・オブ・ザ・デッド」(05)、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」(09)しかり。

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そして、今年6月からロメロ監督の新作「サバイバル・オブ・ザ・デッド」が日本で上映されている。まずタイトルを見て勘違いされがちだが、サバイバルするのは人ではなく、デッド=死人であること。もちろん人のサバイバルも含まれるが、本作では死人がどう生き延びるか(死人が生き延びる、この矛盾がたまらない)。

ゾンビで世界が崩壊した時代、元州兵のサージは唯一安全だと言われる島にたどりつくが、そこではゾンビの擁護派と撲滅派の争いが起きていて、その戦いに巻き込まれていく。「大いなる西部」(58)にインスパイアされたとあり、島民の戦いはウエスタン調。そこにサージのサブマシンガン。アナログとデジタルの対比が成されているような構図だ。

ゾンビに関して言えば、進化を遂げた、と言うよりも人間の心と体に染み付いたものは死んでも忘れないということを体言したゾンビが登場する。その姿はかなりアイロニカル。ポストに郵便を投函(とうかん)し続けるゾンビ、薪を割り続けるゾンビ、乗馬するゾンビなどなど。さらにこの作品ではゾンビに新たな試みをさせているのも見どころだ。

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」から盟友ピーター・グルンウォルドとインディペンデント系の会社に戻り、ロメロは本当に作りたいものを作り始めた。70歳とは思えない勇猛果敢なロメロのクリエーター魂。今後も、あと2本はゾンビ映画を製作する予定だと言う。それらが日本で公開される日を心待ちにしたい。

R18+

(「サバイバル・オブ・ザ・デッド」宣伝担当)

 

●池袋シネマサンシャインほか全国公開中

公式サイトhttp://www.survivalofthedead.jp/

(C) 2009 BLANK OF THE DEAD PRODUCTIONS INC.ALL RIGHTS RESERVED

2010年06月22日
サバイバル・オブ・ザ・デッド
映画配給および宣伝各社の担当
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