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映画散歩

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将来有望な女性監督が誕生!「カケラ」

 奥田瑛二さんのお嬢様が、姉妹で話題になっています
 そもそも、奥田ファミリーに注目が集まったのは、奥田瑛二さんの監督第4作「風の外側」での出来事がきっかけでした。この作品では、クランクイン直前に、当初主演予定だった女優が急きょ降板。やむなく次女・安藤サクラさんが主役を務めることになり、父親がメガホンを取る作品での、ヌードシーンや押し倒されるシーンに挑みました。その時の助監督が長女・安藤モモ子さん。母親の安藤和津さんはスーパーバイザーとして参加し、家内制手工業のような映画作りが評価されました。

 のち、次女・安藤サクラさんは女優としてメキメキと頭角を現し(わたし、サクラさんの影のある存在感が大好きです)、「愛のむきだし」で第31回ヨコハマ映画祭助演女優賞受賞。「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」で、アジアのアカデミー賞と呼ばれるアジアン・フィルム・アワードの助演女優賞にノミネートされています。
 
 そして今回……満を持して長女・安藤モモ子さんが長編映画の監督としてデビュー。思春期のモヤモヤが、20代女子の無防備さと無鉄砲さが、正確に描かれているカールズムービーでした。

 彼氏から二股をかけられているハル(満島ひかりは、いたって普通の大学生。カフェで、見知らぬ女の子から「気が向いたら電話してね」と番号を渡されます。電話をしてみると、その女の子の名前はリコ(中村映里子)。義手など、病気や事故で体の一部をなくした人のためにパーツを作るメディカルアーティストの仕事をしているという。ストレートな性格のリコは、ハルに愛を打ち明けます。いつの間にか、どんどんリコに惹(ひ)かれていくハル。しかし惰性で彼氏とも寝てしまう。男とは? 女とは? 愛とは? 友情とは? 様々な価値観の中でハルは揺れ動きます。

 自分の周りには、ハルのような無目的な女の子も、リコのように特殊な女の子もいないはずなのに、二人にはどこかで会ったことがあるような気がする。そんな不思議なリアルさを持った作品です。

 二人のデートの場所が、まわりは中年サラリーマンだらけの居酒屋だったり、八百屋さんでミカンを一個だけ買おうとしていたり……といったディティールに、女子の不思議な生態がきちんと表現されているからリアルに感じるのでしょう。

 安藤モモ子さんは、マーケティングとか、流行とか関係なく、自分に正直に作品作りをしていける監督だと思う。まだまだ女性監督は少ないから、これからの活躍が楽しみです!

2010年03月02日
カケラ
乾貴美子
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