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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

サクラサク「花のあと」

 桜の季節にぴったりな一本をご紹介します。
 藤沢周平さんの小説を映画化。江戸時代の、東北の小さな藩が舞台になっています。

 

 組頭の一人娘・以登(北川景子は、幼少の頃より剣の手ほどきを受けていました。男顔負けの腕前で、花見をしていても、怖くて男が寄り付かぬと嫌みを言われるほど。その花見の席で、以登は藩随一の剣士・江口孫四郎(宮尾俊太郎と出会います。後日、江口と竹刀を交えてみたところ、女だからと手加減しない江口に、以登は生まれてはじめて恋心を感じるのでした。
 しかし、以登には片桐才助(甲本雅裕という許婚(いいなづけ)がいました。孫四郎への思いを断ち切り、江戸に留学している才助の帰りを待っていましたが、ある日、孫四郎が自害し果てたとの知らせを受けます。
 孫四朗がそんなことをするはずがないと、以登は死の真相を調べ始めます。江戸から戻った才助も手伝い、真相をつかんだ以登は、たった一度剣を交えただけの男・孫四郎のあだ討ちに出掛けるのでした。

 主演の北川景子さんの凛(りん)としたたたずまいが素敵です。控えめな演技が、胸に熱い思いを秘めた以登というキャラクターを逆に際立たせていました。
 孫四郎役の宮尾俊太郎さんは、現役バレリーナ(熊川哲也さん率いるK-BALLET COMPANYのファーストソリストです!)で映画初出演。さすがバレエで鍛えているだけあって、剣さばきがお見事。もちろん殺陣とバレエは全く違うものなのだけれど、“腰を沈める”とか“腕を振り下ろす”といった、ちょっとした動きの説得力が、普通の役者さんでは出せないレベルなのです。重心のブレなさといい、立姿といい、本当に美しくて見とれてしまいました。

 江戸時代の話ですが、描かれているのは娘たちの「婚活」だったり、男たちの「出世争い」だったりします。誰それは組頭と結婚したのに男遊びに興じているだの、誰それは下級な身分なのにどこそこの夫になっただの、今で言う“玉の輿”“逆玉”をうらやむセリフがたくさん出てきて面白い。いつの時代も、結婚を取り巻く状況は同じなのでしょうね。

 映画の最初と最後に、藤村志保さんの語りが入ります。年をとった以登が「ばば」と称して孫たちに昔話を語っているという設定なのですが、すべてを包み込むような藤村さんの口調がおかしくて、切なくて、桜は散ってなお美しいという気分にさせられます。今年もそろそろ桜ですね。

2010年02月23日
乾貴美子
花のあと
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