朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

エンタメ

  • 映画散歩TOPへ

映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

離婚しそうな方に見てほしい「ぼくとママの黄色い自転車」

横浜の郊外に住む、小学校3年生の大志(武井証)のもとにエアメールが届きます。それは、パリでファッションデザインの勉強をしている母(鈴木京香)から送られてきたものでした。エッフェル塔の前でほほ笑む写真も同封されており、大志はとてもうれしそうに、手紙を宝物箱にしまうのでした。

大志の父(阿部サダヲ)は自宅で設計の仕事をしており、たまに出張に出ることがあります。父がいない間、大志はおばさん(西田尚美)の家に預けられるのですが、その家であることに気付いてしまいます。

母が送ってきた写真は、何年も前に母とおばさんがパリ旅行をした時のものだったのです! これはおかしい。ママはパリにいないんだ。パパはどうして嘘(うそ)をついているんだろう。

大志は母を探す旅に出ます。6歳の誕生日プレゼントとして母が選んでくれた黄色い自転車に乗って。愛犬のアンを荷台に乗せて。

母は決して息子を捨てたわけではなく、どうしても一緒にいられない事情があって息子のもとを去ったのですが……父親役の阿部サダヲさんがよい。たぶん彼が演じていなかったら、もっと悲惨な話になっていたでしょう。普段、気のふれたハイテンションな役を演じることが多い阿部さんだからこそ、悲しいストーリーの中にユーモアの要素を醸し出すことができています。

大志役の武井証くんは『いま、会いにゆきます』に出ていた男の子。そういえばその時もシングルファーザーを健気(けなげ)に支える少年の役だった! 次回作は「クレヨンしんちゃん」の実写版で、しんちゃんを演じるらしい。

旅の道中に出くわす登場人物が印象深い。傷心のトラックドライバー(藤原里奈)、自殺しようとしてた老人(柄本明)、シングルマザーに育てられている女児(梅原真子)……。女児は、浮気した父親に捨てられた、という設定で、“ある理由で“母と離れている大志との対比が鮮明で面白い。勝ち気でおませでおしゃべり上手な女の子と、少し抜けたところもある男の子、という対比もリアルで面白い。

絶対に泣ける、と銘打たれた作品では、絶対に泣かないと決めているワタクシですが、この映画では泣いてしまいました。だってとことんずるいんだもの。妻が病気で、夫が優しくて、子どもが健気で犬が従順で。ここまでやられてしまうと涙の逃げ場がありません。素直に、家族愛の深さに感動。家族で住んでいられることの有り難さに感謝しました。

離婚しそうなご夫婦に是非観ていただきたい作品です。

☆8月22日より全国順次ロードショー

2009年08月20日
ぼくとママの黄色い自転車
乾貴美子
トラックバック (0)
  • バックナンバー

ライター紹介

ココログ

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。