朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

エンタメ

  • 映画散歩TOPへ

映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

風変わりさの度合いが職人技「サンシャイン・クリーニング」

 インディペンデント作品の香りがムンムンに漂いながらも、今年の3月に公開されるやいなや、たった4館から始まった興行が全米トップ10入りするなど好評をはくしているのが、この映画。

 主人公はシングルマザーのローズ。高校時代はチアリーダーの花形でしたが、同級生と結婚したかつての恋人と不倫中。不動産の資格を取るといいつつ、ハウスクリーニングの仕事に明け暮れるさえない毎日です。ローズの息子のオスカーは、一獲千金を狙いながら一向に売れないものを売り歩く風変わりな祖父に似たのか、学校で特殊な存在となってしまっています。ローズの妹・ノラは乱暴な性格のせいでバイトが続かずノーフューチャー。
 
 そこでローズが思い立ったのが、犯罪や事件の現場を掃除する「サンシャインクリーニング」の仕事をはじめること。
 
 自殺の現場では、ローズとノラの母親が自殺した時のトラウマを思い出したり、自殺者の家族の写真を見つけて捨てられなくなってしまったりします。またノラの不注意で大変な事故が起きてしまうのですが、「サンシャインクリーニング」とローズ達家族は再起できるのだろうか……という物語。

 役者の面構えが、とにかく素晴らしい。ローズを演じるのは「魔法にかけられて」でおちゃめなお姫様を演じたエイミー・アダムス。ローズの父親を演じたアラン・アーキンは自分の信念をつらぬく異端者の目つき、オスカー役のジェイソン・ローコウスキはビーバーのような前歯に離れた目で、一目見ただけで普通の子でないことがよく分かる。自殺者の娘・リンの求道者的顔つきもナイスキャスティングだし、洗剤屋のウィンストンのキャラクター作り(長髪・気難しそうなひげ、片腕がない)にいたっては、風変わりさの度合いが職人技!

 登場するのは、日の当たらない場所を歩く少し変わった人たちばかり。その少し変わった人が、少し変わった人と出会っておこる化学反応の描写が正確で唸(うな)らされる(例えば、ウィンストンを始めてみた時の、ローズ姉妹の反応の違いなど)。

 死をテーマにしていながら明るくユーモアもあるということで、アメリカでは米国版「おくりびと」と言われているとかいないとか?

 小さな幸せの花を咲かせてくれる、ほんのり温かい映画でした。

★7月11日、渋谷シネクイント、TOHOシネマズ シャンテほかロードショー

2009年06月17日
サンシャイン・クリーニング
乾貴美子
トラックバック (0)
  • バックナンバー

ライター紹介

ココログ

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。