朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

エンタメ

  • 映画散歩TOPへ

映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

リアルな企業買収劇「ハゲタカ」

あれからもう4年もたつのですね。
ライブドアによるニッポン放送買収(しようとした)劇が連日一面トップで報じられていたのは、2005年はじめのこと。結局ニッポン放送はライブドア傘下に入らず、フジテレビの子会社となり一件落着したわけですが、一連のニュースのお陰で、TOB(株式公開買い付け)やらホワイトナイトやら、新しい言葉を覚えることができました。

あの事件のごとく、手に汗握る企業買収劇を描いたのが「ハゲタカ」。NHKで放送されていたドラマシリーズも大人気だったそうですから、映画化を楽しみにされていた方が多いかも知れませんね。

面白かったですよー。

老舗(しにせ)自動車メーカー「アカマ自動車」に、聞き慣れぬ名前のファンドが敵対的買収を仕掛けてくる。腕利きのファンドマネジャー鷲津(大森南朋)が阻止せんと立ち上がるが、対するファンドのバックには、巨大な資本を持つ中国政府がついていることが分かり、事態は<日本vs中国>の展開に。

中国系ファンドのCEO(玉山鉄二)は残留日本人孤児という設定が、ストーリーに奥行きを持たせていて面白い。この映画、脚本が完成しかけたところでリーマンショックが起きて経済状況が激変したため、クランクイン直前に設定の変更を余儀なくされたという。しかし、<派遣切り><世界同時不況>など、つい最近のニュースもきちんと描き、それでいて破綻(はたん)のない台本。緻密(ちみつ)な展開で、経済オンチをも楽しませてくれる。

玉山鉄二さん演じる残留日本人孤児は金への執着心が強く、泥沼に落ちた一円でも這(は)いつくばって拾うような男。しかし彼の故郷・中国の田舎では、死者があの世でお金に困らないよう、お葬式(のような儀式)で惜しみなく紙幣を燃やしていたり、織り込まれるエピソードがすべて皮肉で、象徴的で、本当に細部までよく練られた脚本だと思う。

アカマ自動車の派遣工役・高良健吾さんの目が強くて素敵だなーと思ってプロフィルを調べてみたら、あらあら「蛇にピアス」で顔から舌からピアスだらけになっていた男の子だったのですね。「蛇に~」の時はピアスの印象が強すぎて気付かなかったけど、なんてイイ男なのかしら。激情に駆られる演技もお上手で、一気にファンになってしまいました。

高良さん演じる派遣工が最後の最後にとった行動から、日本企業、ひいては日本への愛が感じられて泣ける。

★6月6日全国ロードショー

2009年05月08日
ハゲタカ
乾貴美子
トラックバック (0)
  • バックナンバー

ライター紹介

ココログ

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。