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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

個性派俳優、動物たちが大集合、サーカスのようなワクワクムービー ~ウェデイング・ベルを鳴らせ!

旧ユーゴスラビア出身のエミール・クストリッツァといえば、「パパは、出張中!」(1985年)「アンダーグラウンド」(95年)で2度のカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞。世界中にファンの多い映画監督の一人だ。彼の作品はいつもエネルギッシュでポジティブ。バルカン半島を舞台に、どんな局面でもユーモアと希望をもって切る抜ける人間のたくましさを見せてくれる。過去の作品には、祖国がたどった過酷な歴史、戦争の爪あとを背景に交えたものもあるが、今回はストレートなロマンチック・コメディー。とにかく楽しい気分に浸りたい人におすすめの1本だ。

主人公はセルビアの山奥部に祖父と二人で暮らす少年ツァーネ。自分が死んだあと独りぼっちになってしまう孫を案じ、老人はある日ツァーネに試練を与える。家畜の牛を町で売り、聖ニコラスのイコンとお土産を買うこと。そしてお嫁さんを見つけて帰ってくること。さっそく町にでたツァーネは、ポニーテール美女学生ヤスナに一目ぼれ。あの手この手で彼女の気をひこうとするのだが……。
と書くとありがちなストーリーだが、これがクストリッツァの手にかかると、てんやわんやの大騒ぎになる。登場人物がみんな奇人変人の集まりなのだ。ヤスナのママはマフィアの一味に借りがあるのだが、このマフィアがなんともマヌケな集団。マフィアのボスのペットといえば高価な猫がお約束だが、なぜかここでは七面鳥が相棒。祖父同士が親友だった縁で、ツァーネの手助けをしてくれるのはスキンヘッドの兄弟。熱血漢の二人はなぜかスゴ腕のガンマンだったりする。キレると、へたなマフィアよりたちが悪い。そもそもツァーネも、ただの純粋無垢(むく)な少年とはいかない。かなり風変わりだ。彼は物の改造や発明が得意。発明品の中には「催眠うずまき」という、見るものを眠りに落とすへんてこな自転車もある。
 さらに映画をペースアップするのが、クストリッツァ映画に欠かせないバルカン生まれの「ウンザ・ウンザ」とよばれる音楽だ。独特の哀愁を帯びたリズミカルなブラス・サウンドをバックに、役者、動物がスクリーンのなかを縦横無尽に駆け抜ける。サーカスのようなハチャメチャさ。クストリッァ節全開のハッピー・コメディーだ。

☆シネマライズほか公開中

2009年04月27日
ウェデイング・ベルを鳴らせ!
近藤深雪
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