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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

まるでガラ公演!「GOEMON」

時は安土桃山。城や塔が電飾に彩られ、無数の打ち上げ花火があがる夜空の下でひしめく民衆を俯瞰(ふかん)でとらえた、ド迫力映像から映画は始まる。見ている人をアッと驚かせてやろうという気合い十分なオープニングだ。この冒頭のシーンを見て、北京五輪の開会式を300倍豪華にしたようだなぁと思った。300倍豪華で、300倍感動したかったのだが、映像が豪華になればなるほど、私の気持ちはなぜか急速に冷めてゆく。

紀里谷和明監督の「GOEMON」は、一部のセットをのぞき、風景やエキストラなど大半をCGで描いている映画です。た しか北京五輪の花火もCGで合成されたものだった。後日その話を聞いて少々ガッカリしたのも事実である。しかしいまや、どこまでが実写で、どこからがCG なのか、素人の私では見分けがつかぬほどCGの技術は向上しているゆえ、CGだから感動できなかったわけではないと思う。

天下の大泥棒・石川五右衛門を主人公に、お城の雰囲気がゴシック調だったり、着物がオートクチュール風だったり、畳やちょんまげが出てこなかったり、時代考証を度外視して自由に創造された世界観。ストーリーも奇想天外で(といっても、過去に作られた五右衛門のお話だってどれもフィクションだけど)、石川五右衛門と霧隠才蔵が幼なじみだったり、五右衛門が釜煎(い)りにならなかったり、もちろん「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」という辞世の句も詠まない。史実を遊び場に、とことんオリジナルな作品を作ろうという心意気は本当に素晴らしいと思う。

石川五右衛門、霧隠才蔵、徳川家康、織田信長、豊臣秀吉、服部半蔵、猿飛佐助、石田三成、秀吉の側近・茶々、千利休……と、時代劇ではそれぞれが主役をはれる有名どころに脇をかためさせるサービス精神も素晴らしい。

CG、世界観、キャラクター、どれもが素晴らしい、はずなのに、どうしてこうも胸に響かないのか考えてみたところ、そうか、これはガラ公演だからなのだ!という結論に達しました。主役級の役者が、それぞれが持つストーリーのハイライトシーンばかりを見せてくれているんだけど、メインディッシュのつまみ食いをしただけなので満足感がない。つまりこういう訳で冒頭から傍観してしまったのですが、エラそうにすみません。

☆5月1日全国ロードショー

2009年04月22日
GOEMON
乾貴美子
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