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映画散歩

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統合失調症を患うバイオリニストのゆくえ…「路上のソリスト」

先日、娘(3歳)を連れて、オペラ「カルメン」のフリーコンサートを聴きに行きました。フランス語で歌われる「カルメン」の内容が理解できるはずないのですが、音楽を聴けば、どうやらそれが恋の物語だということは子供にも分かるらしい。同席していた男の子(同じく3歳)と「大好き!大好き!」と抱き合いはじめた。・・・音楽の持つ力ってすごい。言葉を使わなくても、音だけで語ってしまう。音だけで、聴く人を異次元に連れて行ってしまう。

これはそんな、音楽の力に魅せられた人々の物語。
主人公は、いまもなお、ロサンゼルスの路上で奏で続ける実在の“路上のソリスト”です。

名門音楽院に通い、将来を有望視されていたナサニエル(ジェイミー・フォックス)でしたが、統合失調症を患い、学校や家族からドロップアウト。そして行き着いたのは、ロサンゼルスの路上でした。ガラクタを積んだカートの傍らで、もはや弦が2本しかないバイオリンで大好きなベートーベンを演奏している。
そんな彼にドラマを感じた新聞記者のスティーブ(ロバート・ダウニーJr.)は、ナサニエルを取材し、コラムに取り上げました。するとその文章が評判を呼び連載化されることに。
ナサニエルを取材するうち、彼に必要なのは病気を治すことと勘違いしはじめるスティーブと、取材されるうちにスティーブは神だと勘違いしはじめるナサニエル。一方通行の二人の心をつなぐのは音楽しかなかった…。

「Ray/レイ」でレイ・チャールズを演じて、オスカーはじめ主演男優賞を総なめにしたジェイミー・フォックスのすごみに圧倒されます。音楽に陶酔している時の表情、幻聴に苦悶する表情、それは超絶としかいいようがない。

そして、ナサニエルが一時収容される路上生活者支援センターに集う人々の、“顔面の説得力”にも驚かされました。多くは、スラム街でドラッグや重度の精神障害に悩む人物という役どころだが、演じているのは役者なのだろうか? それとも本当にドラッグや心の病で苦しんでいる人々なのだろうか? いずれにせよ、顔のインパクトがあり過ぎて、本編のストーリーが一瞬かすんでしまうほど。あの人たちを主人公にした映画が見たくなってしまった。

それにしても。この実在のナサニエルの物語は2005年に新聞で紹介され、2008年に出版化、そして今年2009年には映画になってしまっているのですから、そのスピードからどれだけ世界が“イイ話”に飢えているのかが分かります。

☆5月、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー

2009年03月31日
乾貴美子
路上のソリスト
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