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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

一足早く夏を体感!「釣りキチ三平」

 「おくりびと」のオスカー受賞で、一気に注目されることとなった滝田洋二郎監督の新作が「釣りキチ三平」「週刊少年マガジン」創刊50周年記念作品と銘打たれ、いわずとしれた人気コミックの映画化です。

 

 釣り名人の一平おじいさん(渡瀬恒彦)と共に田舎で暮らす三平(須賀健太)のもとに、“夜泣谷の巨大魚”の噂(うわさ)を聞きつけた釣りのプロ・鮎川魚紳(塚本高史)がやってきます。3人は巨大魚を釣り上げるため道なき道を進んでいくことになるのですが、三平が田舎で暮らすことに反対している姉の愛子(香椎由宇)は、釣れなかったら三平を東京に連れて帰ると言い出します。

 ひと夏かけて秋田で撮影されたというこの作品。容赦ない夏の日差しや、意思を持って落下しているかのような滝の躍動感、ふとわき水に触れた時の骨までしみる感じなど自然のダイナミズムを余すとこなく映し出す。

 釣りに出掛ける前に下品にかきこむ卵かけご飯や、釣った魚で作るタタキ本当においしそうに描写されていて、人間とは、自然が生み出してくれた食物を食らい、自然のおかげで生かされている存在だということを感じさせられます。

 東京からやってきた姉・愛子を演じる香椎由宇さんの無機的な顔と、表情あふれる自然との対比がとても面白い。そして、その無機的な顔が自然と対話するにつれ人間的になっていく過程が、観(み)る者の心をも開放的にしてくれる。

 最近の若い男優さんは顔立ちがキレイ過ぎて無味無臭でつまらないと思っていたのですが、この映画の中の塚本高史さんは、すごく汗臭くて、魚臭くて、こんなに匂いを出せるとは、なんて素晴らしい俳優なんだろうと思いました。

 そして、渡瀬恒彦さんがこんなに笑顔が似合う人だとは知らなかった。いたずら少年のようなチャーミングなほほえみが見る者の心をほぐす。すべてを受けとめ、あるがままに生きる一平の存在は、動かぬ山のように頼もしい。
 
 「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズで名を馳(は)せた子役の須賀健太さんは喜色満面で、子供の鏡のような存在。しかしどうして彼はこう鉛筆みたいに細身なんでしょう。好き嫌いばかりでちゃんとご飯食べていないのでは……?と母親気分で心配になってしまいました。いや、うちの子も極細なもので。

2009年03月17日
乾貴美子
釣りキチ三平
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