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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

いがいに庶民的な内容にビックリ!「ラ・ボエーム」

 新しい年を迎えると、なにが変わるって訳でもないんですが……不思議と去年までは違う服装をしてみたくなったり、新しいことをはじめようと思い立ったりするものです。映画も、今まで見たことのないジャンルを見に行ってみてはいかがでしょう!? 例えば、そう、オペラなんていかが??

オペラ……。私にとっても、食わず嫌いしてきたジャンルです。学生時代、パリに旅行したとき一度だけ見たことがあるけれど、言葉が分からずチンプンカンプン。一幕の途中からグーグーグー、深い眠りの底へ。言葉が分かっていても内容を理解するのは難しかったでしょう。あの時無駄にした、決して安くはないチケット代、いま思い出しても悔やまれます。

 けれど、この映画を見れば、オペラを見るより格段に安いチケット代で、字幕つき、おまけに役者の表情が手に取るように分かるカメラワークでオペラの世界を楽しむことができるのです!

 プッチーニ生誕150周年を記念して公開される映画「ラ・ボエーム」。詩人のロドルフォとお針子ミミの恋が、貧乏と不治の病によって引き裂かれるストーリーはそのままに、劇中の台詞(せりふ)はすべて音楽に乗せて歌われるスタイルです。

これまでドキュメンタリーや歴史映画の世界で活躍してきたロバート・ドーンヘルム監督がメガホンを取りました。いわく「オペラは面白みのない終わった芸術だと思っていたが、音楽に導かれて映像を作り上げれば、作品の中にある感情や自然主義、細部に新たに生命を吹き込むことができた」そう。

 主演は、“マリア・カラスの再来”と言われるアンナ・ネトレプコ、“現代最高のテノール”ローランド・ビリャソンオペラ歌手というと、かっぷくのよいイメージですが、二人は普通の体形なのでスクリーン上で見ても違和感がありません。

 通常こういった映画を作る際は、先に音源を録音し、それに合わせて俳優が動くそうですが、今回はのどの動きにリアリティーを持たせるため、撮影中ずっと、俳優は実際に生で歌っていたんだとか。演奏は、コンサート形式で行われた3回の演奏から良いものを選んで流したそうです。

 歌う時ってこんなに表情豊かなんだ~と驚かされっぱなしの114分。歌詞の細部まで翻訳してくれる親切な字幕を読んでいると、オペラとは本来会話で言うべき感情や出来事の報告を歌にしているだけということに気付く。大仰な声の出し方なので、きっとオペラでは哲学的なことを延々歌っているんだろうなぁという先入観がありましたが、意外に「パンのかすがこぼれた!」くらいのレベルの、生活感溢れる小さな出来事を歌っていたりするものなのですね。オペラに親近感がわきました!

2009年01月05日
ラ・ボエーム
乾貴美子
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