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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

こわくて咳ができなくなる ~感染列島

 新型インフルエンザだとか、抗生剤の効かないウイルスが発生しているだとか、ニュースで聞くたびに恐ろしくなる。しかしその一方で、自分だけは病気になったりしないはずと楽観している呑気(のんき)な私もいる。この映画を観(み)るまでは、呑気な気分でもいられたのだが・・・。

 高熱、けいれん、吐血のあげく多臓器不全の状態で次々と人が死んでいく。医師たちはいまだかつて経験したことのない症状に、はじめは新型インフルエンザの流行を疑ったが、原因が特定できぬまま死亡者の数だけが膨らんでいく。感染拡大を防ぐため、WHOから専門家が派遣されるが、病院を隔離するべきだと主張するWHOと、地域の医療センターとしての機能を果たすべきだと主張する病院側が対立。研究者はウイルスを特定しようと躍起になるが、感染源が見つかっても薬の完成までに半年以上かかるという。あまりの患者数にベットは満床、医療機器も不足するなか、未知なるウイルスは猛威をふるい、感染爆発=“バンデミック”。日本は、戦災をはるかに上回る感染パニックにつつまれていきます。

途中で見るのをやめようかと思うくらい辛く悲しいストーリーだが、救命救急医(妻夫木聡)、WHOメディカルオフィサー(檀れいら、自分の命を懸けて患者を救おうとする医療関係者の姿に勇気を与えられます。出演者は他に、医師(佐藤浩一)、看護師(国仲涼子、馬渕英俚可)、ウイルス研究者(カンニング竹山)ら。

医療の専門用語が登場することも多く、たいへんに情報量の多い映画ですが、きちんと意味を考えずにスルーしてしまってはならないシーンの連続です。
 
例えば、人工呼吸器の数が足りないので、檀れいさん演じるメディカルオフィサーが、症状の重い人の呼吸器をはずして軽い人に移し替えていく。呼吸器をはずされた人は自力呼吸できず間もなく死んでしまうので、これは一方で医療行為であると同時に、殺人行為でもある。極限状態でそうせざるを得なかった医師の無力さと、呼吸器をはずすことができた正義・・・紙一重の真実。

 映画の冒頭で、くしゃみやせきから飛沫感染する様子が描かれています。それを見たら、怖くてくしゃみ・せきができなくなってしまうし、人混に行く勇気がなくなってしまう。映画を観たからといってウイルスの免疫ができる訳ではないが、今日起きても不思議ではない、恐ろしい事態への覚悟はついた気がする。人はみな、いつ病気で死んでもおかしくないのだから、与えられた一日一日を大切にしなければと素直に思った。

☆2009年1月17日 全国東宝系ロードショー

2008年12月03日
乾貴美子
感染列島
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