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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

今年度ナンバーワン!女性版座頭市 ~ICHI

実写で次は何を撮るんだろうと、ずっと気になっていた。
「ピンポン」曽利文彦監督の6年ぶり2作目は女性版座頭市の「ICHI」!!
すこぶる素敵(すてき)で、私の中では今年度ナンバーワンかも知れません。

三味線を弾きながら歌う盲目の旅芸人・市(綾瀬はるか)。男たちに脅されているところを、侍・藤平十馬(大沢たかお)が助けようとする。しかしなぜか十馬は刀を抜くことができず、市の剣が何人もの敵を切り捨てる。その傷跡を見て、町を荒らす万鬼(中村獅童)はかつて戦った居合斬りの名手のことを思い出す。一方、町を仕切る虎次(窪塚洋介)は十馬を剣の名手を勘違いし、用心棒に任命する。市は生き別れた父親を探す旅をしているが、居合斬りの名手とは父のことなのだろうか…?

試写会場は、勝新太郎さん版「座頭市」のファンとおぼしき男性陣でいっぱい。「座頭市」に思い入れのある方がどう感じるか分かりませんが(私も「座頭市」ファンですが!)勝さんのシリーズとは全く別物の、怒りと美しさを持った作品でした。

曽利監督といえばCGの名手ですが、CGが前面に出た作りではなく、名手なだけに、素人が見ても分からない箇所でうま~く画像処理している感じ。

カット割りもカッコイイし、ストーリーも面白いけど、今回最も感じたのは、役者さんがスゴクいいなぁ~ということ。

大沢たかおさんは、誠実な演技の中にコメディアンとしての才能も覗(のぞ)かせ、抜きたくても刀が抜けない十馬のしぐさにおかしさと哀しさがにじみ出す。市を心を通わすシーンでは、改めてこの方は演技がうまいと実感しました。

中村獅童さんは堂に入った悪役ぶり。このまま悪の道を極めて欲しいです。獅童さんが世に出るきっかけとなった『ピンポン』曽利監督との仕事とあって、監督と役者が信頼しあって自由に演技しているのが分かる。

節回しが『ピンポン』の延長のような(それもこのまま極めて欲しい!)窪塚洋介さんは、美しいだけの印象だった顔立ちがイイ感じに左右非対称になってきていて、役者としての味が出てきた。同世代の俳優に欠けている、青くて熱い怒りを爆発させていて、貴重な役者さんだなぁと思いました。

そして綾瀬はるかさんがこんなに奇麗な人だとは思わなかった! いえもちろん、奇麗な女優さんだということは存じ上げていたのですが、“美”専門のスタッフが集結して撮影されたであろう化粧品の広告よりも、雑誌のファッションページよりも、格段に美しい。たぶん、顔が一番キレイに見える角度を見つけるのが上手い監督なのでしょうね。横顔のライン、うつむきがちな顔の表情…どれも芸術作品のように美しかった。

曽利監督というと、ついつい、かっこいいカット割りやCGのことにばかり気がいってしまいがちですが、役者さんの演出にもたけた方なのだということがよ~~~く分かりました。

2008年09月30日
ICHI
乾貴美子
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