朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

エンタメ

  • 映画散歩TOPへ

映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

大人になってからの友達の作り方 ~ぼくの大切なともだち

何ともシンプル、かつストレートなタイトルと思いませんか?フランスの名匠パトリス・ルコントの新作は、ずばり中年男の「親友」探しの物語だ。学生時代には気軽に使う「友達」という言葉。過去のクラスメートからバイト仲間、最近ではメル友なんてジャンルもある。しかし大人になり、仕事一辺倒の日々となり、ふと我に帰る。気がつけば過去の友達とも疎遠に。職場の仲間はただの同僚であったり、時にライバルであったり。意外と大人になると「友達」って増えない、作りにくいと思ったことがある人も多いのでは?しかし、そもそも友達ってつくるものなのだろうか?

「ぼくの大切なともだち」の主人公は、ひょんなことから自分の「親友」探しに四苦八苦することになる。きっかけは自分の誕生日ディナーでのことだ。自信家で裕福な美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、午前中参列した顧客の葬儀に「列席者が7人しかいなかった」と吐き捨てるように言う。すると、レストランの同席者たちは口々にいうのだ。君の葬式だったら誰も来ないだろうと。今日だって、彼らは義理や仕事関係のしがらみで集まっていただけ。高慢で物にしか興味のない彼を友達と思っているものなど、いないだろうと口々にいう。
おれにだって親友くらいいる!とムキになるフランソワ。彼のビジネスパートナーのカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)と賭けにでる。10日以内に自分の親友をカトリーヌに紹介できなければ、20万ユーロ(約3330万円)という高額で落札したギリシャの壺(つぼ)を彼女のものにすると。
ここから始まるなんともおかしくも悲しいフランソワの友達探し。それは映画を見てのお楽しみだが、事態は人生相談に電話をするほどせっぱつまってくる。そんな時に彼の前に現れるのが、陽気でフレンドリーなタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)だ。
注目はブリュノ役を演じるダニーブーン。朗らかでうんちくが大好きな彼の夢はクイズ番組に出場すること。ところが彼は大のあがり症でオーディションではいつも失格に。名優ダニエル・オートゥイユを相手に、素朴かつ温かみのあるブリュノをチャーミングに演じている。二人の掛け合いのシーンは絶妙だ。
べテランの監督らしく、ルコントは観客が何を求めているかのツボを見事におさえている。エスプリの効いたユーモア、時にドキリとするセリフ、そして映画を見終わった後に残る爽快感。
 くれぐれもこの映画をみたあとで、自分の友達リストなんて作りださないようにご注意を!

Bunkamura ル・シネマ他にて上映中。

2008年07月01日
ぼくの大切なともだち
近藤深雪
トラックバック (0)
  • バックナンバー

ライター紹介

ココログ

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。