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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

お金持ちなら共感できる? ~美しすぎる母

2歳の子供の母親である私は、母という生き物の出てくる映画を見る時、いつもどこかで母親のあるべき姿を探しながら見ているわけですが、この映画を見ると理想の母親像がぼやけるばかり・・・。

「美しすぎる母」 言われて悪い気はしないタイトルです。プラスチックの元となる合成樹脂を発明したアメリカの大富豪一家に起きた実在の事件を映画化した作品で、その内容とは・・・親殺し。悲しいかな最近ではよくある事件ですが、多くの親殺しの殺害理由が明確でないのと同じく、映画の少年もなんだかよく分からぬまま母親にナイフを向けるのでした。

ジュリアン・ムーア演じる女性・バーバラは、大富豪のブルックスと結婚し、息子トニーをもうけます。バーバラは貧しい家庭で育ったこともあり、上流階級に強い憧れと執着を持っていました。トニーが青年になるまでは、野心家のバーバラにブルックスが振り回されつつもなんとか家庭はうまく行っていたのですが、ブルックスが若い愛人と駆け落ちしてから歯車が狂います。

バーバラは自殺未遂事件を起こし、自信がホモセクシュアルであることに気付いたトニーはドラッグにおぼれ怠惰な生活・・・。

愛人、ホモ、ドラッグ・・・、上流階級の家庭におきたスキャンダラスな出来事。ワイドショーが好んで扱いそうなテーマです。実際映画を見ていても、セレブリティの暮らしを紹介するテレビ番組を見ているようで、「ほほう、お金持ちはいいわねえ」と高みの見物。

お金持ちの暮らしを見るのは、なぜか楽しい。自分にはとうてい手の届かぬ豪邸や調度品が眩しいから、というのはもちろんな理由なのだけれど、絢爛豪華な暮らしの隣に“闇”の存在を感じさせるから、お金持ちの暮らしを見るのは楽しいのでしょう。

私の、お金持ちの友人はよく「金持ちの家になんか生まれたくなかった」と言います。私は中流家庭の出なので、どうしてそんなことを言うのかさっぱり理解できないのですが、おそらく実体験として“闇”の存在を知っているがこその発言。

なぜ息子が母を殺したのか、なぜ父が愛人と駆け落ちしたのか、多くは語られないこの映画、すべての理由は「お金持ちの家になんか生まれたくなかった」から起きたことのような気がします。 だかしかし、なぜお金持ちが不幸なのか?“闇”が“闇”のまま終わるので、エンドロールを眺めながら「金持ちの気持ちは分からん!!」と、おいてけぼりをくらったような気持ちになるのは私が庶民だからでしょうか?

☆初夏ロードショー

「美しすぎる母」公式サイトへ

2008年03月14日
乾貴美子
美しすぎる母
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