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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

北京オリンピックを楽しむためにも「王妃の紋章」

チャン・イーモウ監督やり過ぎです。

新作「王妃の紋章」金きら金に人・人・人。眩しくて目がシバシバしてしまいました。

 チャン・イーモウといえばデビュー作「赤いコーリャン」でベルリン国際映画祭のグランプリを受賞。チャン・ツィーを世に送り出した「初恋のきた道」で純愛信者を泣かせ、がらりと芸風を変えたHERO」でこれでもかとワイヤーアクションを展開、「LOVERS」でさらにスケールアップした監督です。

 今回は後唐の時代の中国が舞台。国王(チョウ・ユンファ)と王妃(コン・リー)は体裁を取り繕いつつ憎しみ合っていました。それは、前妻との間に生まれた皇太子(リウ・イェ)と王妃が不義密通の関係にあることを王が知っていたからで、王は密かに毒を混ぜた薬を王妃に飲ませ続けています。また、王妃は王の“ある残忍な過去”を知っているため、いつかそれを暴こうと企んでいました。

 振り回されるのは3人の息子達です。長男の皇太子は王妃との関係を義絶したいと願いつつもならず、密かに交際している宮廷医の娘(リー・マン)と王宮からの脱出を画策(かくさく)しています。二男の第二王子(ジェイ・チョウ)は外地に赴いていたところを呼び戻され、「皇太子ではなくそなたに王位を」と言われ戦雲(せんうん)を感じています。三男の第三王子(チン・ジュンジエ)だけは笑顔溢れる無垢(むく)な存在のように見えますが、彼もまた何かを隠しているよう……。

 静かに渦巻いていた憎悪が爆発するのは9月9日の“菊の節句”。王家永久の繁栄を祈る祝祭であるはずの日に、それぞれがそれぞれの愛する人のために剣を握るのでした。

 絢爛(けんらん)たる王宮で繰り広げられる陰謀と復讐(ふくしゅう)。冒頭から張りつめたシーンの連続で、誰と誰が味方なのか分かるまでハラハラドキドキ。延べ1キロの絹のじゅうたんや、18金をあしらった衣装など映画ならではの豪華さが楽しめますが、なんといっても見どころは、イーモウ監督お得意の“怒涛のドアップ”“やり過ぎアクション”

 登場人物の感情が臨界線に達すると、面白いくらいにドアップの連続なんですよね~。役者の演技の力を信用したイーモウ監督のカット割り、私は大好きです。(で、もしドアップシーンの表情でにらめっこするとしたら、コン・リーの凄味が優勝!)

 後半の戦闘シーンはCG使いまくりで異常な数の民衆が登場します。もう数が多すぎて何がなにやら理解不能なほど。しかもありえない方向から槍が飛んできたりするので、従来のアクションシーンの文法で理解しようとすると怒りがこみ上げてきます。おおらかな気持ちで、「なんでそこで死ぬねん!」とか突っ込みを入れながら見るときっと楽しいと思います。「HERO」「LOVERS」も相当やり過ぎでしたけどね、それ以上でした。

 チャン・イーモウ監督は、北京オリンピック開会式&閉会式で総合ディレクターを務めるそうです。オリンピックも数と豪華さで勝負してくるのかなぁ~なんて期待しつつ、前哨戦として「王妃の紋章」をお楽しみ下さい。

★4月12日、東劇ほか全国ロードショー

2008年02月05日
乾貴美子
王妃の紋章
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