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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

静かに流れる時間 ~胡同の理髪師

北京の中心に暮らすチン老人の日常生活を描いた作品。チン老人は毎日9時に寝て6時に起きるという規則正しい生活を送っている。92歳という年齢でもあり、友人が孤独死したり、子どもとの不幸な同居をすることになったりなどが起こる。息子も引退して孫もできようかという年齢。息子の愚痴、近隣の住人の愚痴を老人は口を挟まず静かに聞く。住む町もいずれ取り壊され解体されることになっている。

しかし、この老人、ただのお年寄りではない。現役のプロフェッショナルな理髪師なのだ。普段の姿は年齢にしては元気という風貌(ふうぼう)だが、ひとたびカミソリを持つと、長年の修行と熟練の技を感じさせる身のこなしとなる。顧客たちは老人に蒸しタオルを当ててもらい、耳の産毛や鼻毛に至るまで丁寧にそってもらったあと、至福とはこのことかという実に幸福そうな顔を見せる。

この映画の主役を演じるのは、主役のモデルとなった当人である。主役が自分自身を演じるという不思議な映画だ。しかしドキュメンタリーではなくあくまで映画。果たして主役であり当人であるチンさんは、演じているのか「地」なのか。しかもテーマは死の準備である。死の準備をする自分を当人が主役として演じるという設定が、この映画に何ともいえないユーモアをあふれさせている。

失われゆく古き良き胡同の暮らしをかいま見ることができ、何とも言えない懐かしさを感じさせる逸品である。

(どらく編集部 I・M)

※2月9日より岩波ホールにてロードショー

2008年01月23日
どらく編集部映画担当
胡同の理髪師
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