朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

エンタメ

  • 映画散歩TOPへ

映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

劇団ひとりさんの「陰日向に咲く」が待望の映画化です。

 「陰日向に咲く」は、ホームレスに憧れるサラリーマン、キャンブルまみれで振り込め詐欺をやろうとしたが人助けをしてしまう小心な男、浅草の売れない芸人、がけっぷちアイドルとアイドルおたく・・・などモヤモヤを抱えた人物のオムニバスストーリーが最後に交錯する素晴らしい小説でした。私は最後のジュピターさんの手紙のところで泣いてしまいましたよ。

 以前「ダ・ヴィンチ」誌で、映画化するならこのキャスティングで観てみたい!という企画をやってたんですけどね、その時名前が挙がっていたのは、売れない芸人に恋する鳴子役に小西真奈美さんや深津絵里さん。ホームレス・モーゼ役に間寛平さんや泉谷しげるさん。(映画で主人公になっている)小心なギャンブラー役に宮迫博之さんや永瀬正敏さんでした。

 劇団ひとりさんはギャンブラー役にデンジャラスのノッチさんを指名していたのですが、残念ながらノッチさんでは映画化できなかったのでしょうか。今回の主人公は岡田准一さんが、鳴子は宮崎あおいさん、モーゼは西田敏行さんが演じました。

 で、結果。
 ほつれた毛糸をつないで編んだマフラーのような原作の素朴な温かさが、カシミア100%のストールみたいな感触に変わってしまっていて、、、、上質な織物なんだけど、なんか薄くて寒い、、、、、みたいな感じで、、、、、残念。

 今をときめくスターばっかりが出てるから、人生たちゆかないモヤモヤ感やどうしようもない人間のどうしようもなさが匂い立ってこないんですよね。まあ75万部のベストセラーを映画化するには様々な利権が絡んできますから、どうしてもこうなってしまうのでしょう。仕方のないことです。

 繊細に絡み合う短編小説を2時間の映画にするのは難しかったと思います。原作ではほったらかしにされているからこそ物語が無限に広がる部分もキッチリ2時間(正確には2時間9分)でケリをつけているので、強引な展開で登場人物の心情に全くついていけず。でも私が原作を読んでいるからそう感じるだけで、映画だけ見たら普通に楽しいのかも知れません・・・。

 良かったのは、“ヌードアーティスト”ジュピター小鳥を演じた緒川たまきさん!! 「No more war! No more war!」とストリップ劇場の舞台で叫ぶだけでジュピターさんの過剰さと物悲しさを表現していて、次に登場するのが晩年のシーンでも、そこまでの波乱万丈な人生を想像させてくれる。ショートパンツからはみ出る足のラインも綺麗だし、ナイスキャスティング!!

★2008年1月26日東宝系公開

2007年11月26日
乾貴美子
陰日向に咲く
トラックバック (0)
  • バックナンバー

ライター紹介

ココログ

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。