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陽光きらめく南仏での休日 ~プロヴァンスの贈りもの

 プロヴァンス地方といえば、ご存知イギリス人作家ピーター・メイルの世界的ベストセラー「南仏プロヴァンスの12ヶ月」やその続編で、90年代前半に一躍注目を浴びたエリア。一般的には、アヴィニョン、アルル、リュブロン、エクス・アン・プロヴァンスのあたりをさす。まばゆい陽光が降りそそぐなかオリーブ畑が広がり、ラベンダーが香るのどかな田園風景は、訪れる人々の心をとらえてやまない。

 そんなプロヴァンスのリュブロン地区に定住しているメイルの30年来の親友が、なんとあのイギリス人名監督のリドリー・スコット(「ブレード・ランナー」「グラディエーター)というから驚き。しかも彼もこの地に見せられ、15年間、別荘とぶどう園を所有しているのです。そんな二人が手を組んだ本作品は、この土地への愛情がたっぷり。撮影には、リュブロンに実在するシャトーが使われ、まるで芳香なワインのように、プロヴァンスの豊かな自然風景を凝縮した1本です。

 物語の主人公は、ラッセル・クロウが演じるロンドン金融界の凄腕名物トレーダー、マックス。ある日、彼のもとに長年疎遠にしていたヘンリーおじさんの訃報(ふほう)が届く。彼はイギリス人でありながら南仏のプロヴァンスに住み、ワイン造りに熱中、人生を謳歌(おうか)していた。マックスはヘンリーの一番身近な親族として彼のシャトーとぶどう園を相続することに。そこはマックスが幼少の頃、毎夏を過ごした思い出の場所だった。しかし今の彼にとって大切なのはそんな郷愁ではなく、お金。これまで休暇とは無縁の日々を送り、仕事に全てを捧げてきたマックス。相続、売却の手続きを済ませたらすぐにロンドンに戻る予定で、久しぶりにプロヴァンスの地におりたつ。

 傲慢(ごうまん)だけどどこか憎めない男を演じさせたら天下一品のラッセル・クロウ。そんな彼が、地元の美女ファニーと恋に落ちるのはもちろんお約束。さらにアメリカから、自分はヘンリーの娘だという、これまた美女のクリスティがやってくる。ここにワイン愛好家達の間で噂の幻のワインの謎も絡み、物語はテンポよくすすんでいきます。

 プロヴァンスというとその豊穣(ほうじょう)な大地の恵み、色とりどりの野菜、ハーブをつかった郷土料理も有名。作品中にも登場します。長年ヘンリーおじさんのワイン畑の世話をしてきたデュフロ夫妻がマックスとクリスティのために用意するのは、ナスのキャビア風、蒸し鶏、地元で取れたきのこ(巨大!)、そしていのししのシチュー。キャンドルが夜風に揺れる中、虫の音をBGMに囲まれる食卓は、真の贅沢(ぜいたく)が何かを教えてくれます。

 見終わった後には、旅心が掻(か)き立てられること間違いなしの本作品。自分にはシャトー持ちのおじさんなんていないし!とふてくされず、ぜひ何かプランをたててみては?今年の夏は一度しかやってこないのだから。

★8月新宿ガーデンシネマ、恵比寿ガーデンシネマ他 全国ロードショー

2007年06月28日
プロヴァンスの贈りもの
近藤深雪
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