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映画散歩

シネマでしゃべろ 十人十色、それぞれのイチオシは?

旗を見上げて ~クイーン

「女王一家はご在宅!」クリスマスイブの夜、プレゼントを運んでいるサンタクロースがバッキンガム宮殿の旗を見て言う。絵本「さむがりやのサンタ」の一場面。旗が立っていれば、エリザベス女王一家は宮殿の中にいらっしゃる。それを見てなんとなく安心するのがロンドンに住む人の日常なのだろう。

 この映画の中でも、問題となるダイアナが亡くなった直後の女王一家の不在。一家はエリザベス女王が所有する、ロンドンから遠く離れたバルモラル城にこもる。ゆえにロンドンのバッキンガム宮殿では旗が揚がらない。そのことに国民は怒りを覚える。ダイアナが亡くなったのに、王室はなにをしているんだと。就任したばかりのブレア首相が、その怒りを静め、国民と女王の間の橋渡し役だ。

この国の女王となることが自分の天命だと思い、何事にも冷静に、感情を抑え、自分より公務を優先させてきたエリザベス女王。それに対し「私はこの国の女王にはなりたくない」と言い切るダイアナ。二人の間に不仲説が流れるのは当然だろう。

ダイアナの死後に作られたドキュメンタリー番組は、ダイアナにスポットを当てたものがほとんど。そうやって人々の王室に対するイメージはかたち作られていく。

この作品の一番美しいシーンは、女王の素顔がちらと見えたシーン。気分転換に鹿狩りに出かけた家族を追いかけるため車を走らせたあと、一人ぼっちでいるときに見せた、少女のような表情が忘れられない。

物語は、王室に近い筋からの情報を集め、事実に忠実に再現することに注力したという。それでもすべてが事実ではない。事実は知る由もないが、女王が実際にあんな表情のできる、いい顔をしたイギリス女王であってほしいと、日比谷の試写室からの帰り道、ビルの屋上ではためく旗を見上げ、小さく思った。



★4月14日よりシャンテシネにて公開(4月21日より全国拡大公開)


どらく編集部映画担当・K

2007年04月04日
どらく編集部映画担当
クイーン
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